horioの雑記帳

データ分析屋さんが、気の向いた事を色々メモってる雑記帳。

ワイン方程式の論文とデータを見てみた

タイトルの通りです。なぜ調べたのか?は自分でも疑問。

ワイン方程式とは?

その数学が戦略を決める (文春文庫)

その数学が戦略を決める (文春文庫)

の冒頭で紹介されている、

ワインの品質 = 12.145 + 0.00117×冬の降雨量
             + 0.0614 ×育成期平均気温
             - 0.00386×収穫期降雨量

の式を指すことにします。
他の解説としては、これを参照。

言いたき事

元の論文とデータを探してRで再現したら、上式が間違っていることが分かった。
正確に書くと、こんな式に。

ln(あるビンテージの平均価格/1961年ビンテージの平均価格)
= -12.145 + 0.00117×冬の降雨量
          + 0.614 ×育成期平均気温
          - 0.00386×収穫期降雨量
          + 0.0239 ×1983年基準でのワインの熟成年数

上記の式と比べると、切片項の符号が違うし、ワインの熟成年数の項が抜けてますね。。。
【1/20追記】育成期平均気温の桁も違ってますね。私の転記ミスを修正しました。

現論文&原データのありかと、式の計算証跡は以下の通り。

間違いの発生原因はどこか?

既にまとめられている方がいました。このポストを書きながら、初めて気づいた次第な…。

つまり

  • 原著の英語版で、既に引用が間違っていて、大々的に拡散
  • 日本語訳にも、そのまま間違いが引き継がれた
  • 間違った式が、日本でも各所に拡散した

うん。引用する際には原典に当たるって大事、って再確認。

2015/1/17追記

上記ココログさんより前に、@berobero11 さんが書かれていました。私の調査不足ですみませんでした。ご指摘、ありがとうございました!

beroberoさんのブログポスト:
アッシェンフェルターのワイン価格予測式をトレースしてみた